ビデオゲームとアナログゲーム・時間というリソース (1)

※ 本記事は 「Board Game Design Advent Calendar 2016」 8日目の記事です。

まず初めに 本記事の内容はあくまで主観であり、厳密な調査などを行ったものではありません

そのため極端な意見や、ともすれば間違いもあるかもしれませんが、どうか大目に見てやってください。

キャッチーさはかけらもありません(苦笑)

間違いは Twitter などでこっそり教えて頂けると嬉しいです。こっそり修正します。^^;


初めまして、梟老堂 というサークルでゲームを作っている、福夕郎と申します。

突然なのですが、私はビデオゲーム* が大好きです。

(もちろん、ゲーム全般が好きでアナログゲームも大大大好きです)

 

*ビデオゲーム:俗に言うテレビゲーム、電子ゲームのこと。最近スマホゲーも含まれるのかな?
余談ですが、うちの親はプレステも64も全部 「ファミコン」 といいます。任天堂の影響力すげぇ。

 

これまで多くのゲームを遊ぶ中で、ゲームという行為そのものに違いはないが

ビデオとアナログで決定的に違うと感じている部分がいくつかあります。

その思考過程をトレースすると共に、アナログゲームにどう活かしていきたいのか

という想いを書き連ねたいと思います。

長文かつ、とてもマニアックで独断的な内容になりますが お付き合い頂ければ幸いです。

長くなりすぎたので記事を2つに分けました。 → 次の記事


◆ビデオゲームの特徴

ビデオゲームだからこそ可能な点は以下だと考えています。

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各項目について補足していきます。

 

① 演出の多様性

プレイヤーの感情変化に大きな影響を与える項目です。

例えばRPGにおける、敵グラフィックや戦闘BGMです。

ボス戦での壮大な音楽、そして強そうなボスのグラフィック!

これまで歩んできた物語の背景もあって、いやがおうにも感情が高ぶるってもんです。

 

アナログゲームにおいては、フレーバーやコンポーネントで表現されており

コマ、ボード、などの立体物が良くできていることでゲームも盛り上がりますよね。

ビデオゲームでは、この手段が音楽、動くグラフィック、被ダメージ時に振動するコントローラーなど

表現手段が多くある = プレイヤーの体験をより豊かにすることが出来る」 点が特徴です。

 

閑話休題
この特徴、一見優れた点に見えるのですが実は一概にそうとも言い切れないと思っています。
逆に言うと、そういった 「様々な演出が必要」 となってしまうからです。
ゲームシステム以外の部分にリソースを割く必要があるというのはしんどいものです。
ゲームそのものが面白けりゃグラフィックなんかどうでもいいじゃない!

 

② プログラムによる自動処理

プレイヤーの操作や計算作業など、ゲームにおける選択以外の部分を補助してくれます。

例えば、毎ターン手に入る資源を自動的にプレイヤーのリソースに追加してくれる。などです。

アナログゲームではよく取り忘れることもありますし、忘れないように取る、という行為自体が面倒です。

 

リソースの種類が多く、かつ増減の機会が多いゲームにおいてはとても便利な特徴です。

特にウォーゲームのようなシミュレーション系はビデオゲーム化によって大きく発展したジャンルだと思います。

 

もちろん処理を自動化することが必ずしも優れているというわけではありません。

アナログ操作でコマを移動させること、その行為自体が楽しい」 という一面もあります。

盤面にワラワラと広がる兵士やモンスターのコマ、それだけでワクワクしますよね。

 

話が逸れてしまいました。 この項目で注目したいのは、「自動処理を することが出来る」 という点です。

選択肢があるということは、新しい何かを生み出せる可能性でもあります。

例えば、アナログゲームで Hearts of Iron をやろうって人は居ませんよね。

(いや、猛者の中には居るかもしれないんですがw)

局地戦ではなく、全世界規模の詳細なウォーゲームを作れたのは、

ビデオゲームだからこそだと思います。

 

③ 細かいターン設定 : 時間の共通化

さぁ、やっと本題です*。本記事のタイトルを思い出してください。

「ビデオゲームとアナログゲーム ・ 時間というリソース」  ← こいつです

 

え、前置きが長いって。だから最初にマニアックな話って言ったじゃないですか。

 

この項目があることがビデオゲーム一番の特徴であり、

ゲーム性を高めている (或いは新しい種類を増やした) 項目 だと考えています。

 

これまでアナログゲームで、ターンやラウンドとして表現されていた

プレイヤーごとに共通で与えられていたリソースを、1フレーム(1/60秒*)という区切りで

自動的に経過させることで、新たなゲームを生み出すことが可能になったのです!!

 

ビデオゲームは一般的に1秒を60フレームに分割してコマ送りにして
ゲームを表現しています。1秒間に60回のターンがあると思ってください。
ここではコンピューター側がそういう処理をしていて、
プレイしている人間には把握しきれないリソースが存在する、ということだけ理解して下さい。

 

はい、何言ってるか全く分かりません。うまく説明することが出来ないので

例を挙げて説明します。

 

例 : シューティングゲームの場合

将棋のような盤面を想像してください。(下図を参照ください)

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プレイヤーは1ターンに1マス、左右に動くことが出来ます。

敵は1ターンに1マスずつ、自動的にこちらに向かってきます。

全部の敵が盤面の一番下に到達するまで、敵コマと自コマが同じマスに

ならないよう動かしなさい。 というゲームがあるとします。

 

これを1ターンずつ考えて、ゆっくり行ったらまず敵にぶつからないですよね。

ところがこのゲームのターンに制限時間を追加するとどうでしょう。

1ターン=0.5秒で、制限時間になると自動的に次のターンになってしまいます。

現在の状態では、4マス前に敵がいるので4ターン後、

つまり2秒後には敵にぶつかってしまいます!

 

ぶつからないためには、盤面を瞬時に判断し自コマを動かす必要があります。

ここで「敵」としているのが弾であったり、敵の機体であるのが一般的なシューティングゲームになります。

 

◆ これによってゲームとして何が変わるの?

ゲームの勝利に求められる技能が大きく変化します。

 

・ターンごとに熟考 出来る 場合 (アナログゲームの場合)

敵コマの動きを一つ一つ予測して、それに対応して動かしていくこと、

一般的には最小限の動き、消費リソースで最大の成果(リソースや勝利点の獲得)を目指すことが

ゲームの勝利につながります。

 

・ターンごとに熟考 出来ない 場合 (ビデオゲームの場合)

熟考できないからこそのいくつかの解答があります。

 

① 大まかな判断をし方針を決めた後の、アドリブ操作

全体の状況を大まかに判断して、ミスが起こらないよう素早く動く (十字キーやボタン操作を行う)ことが

ゲームの勝利につながります。ここでのポイントは、大まかな状況判断により方針を決め

あとは経験則からアドリブで操作を行います。

この場合、プレイヤー自身も意識していない経験則や慣れから最適解を導くことがよくありますが

安定したクリアが出来ないこともままあります。

何度も失敗して段々とうまくなっていく過程がとても楽しいです。

 

ポイントは、ベストな解答をではなく、ベターな解答を瞬時に探し

それを連続して行う、という点です。

 

② 敵の動きを覚え、あらかじめ自コマの行動を決めておく

一般的に 「覚えゲー」 と呼ばれる部類のゲームに求められることが多いです。

その場の判断ではとてもクリアしきれない場合はこちらの解法が推奨されます。

 

ポイントは、ベストな解答をあらかじめ用意しておく。という点です。

 

 

そのほかにもゲームの種類によって、多くの解法が存在します。

各ゲーム種類における考察はまた別の機会に譲るとして、

ここいいたいことは・・・

 

時間というリソースがゲーム内に追加されたことで、

ゲームに必要な新しいスキル、新しい解法、ゲーム性が創造された。

 

ということです。

私はこの考え方をアナログゲームで活かしたいと考えました。


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