ゲイングランドと私 -千年紀の始めに-

ゲイングランドを巡る沢山の出会いに感謝

※はじめに※

本稿は1988年にセガからリリースされたアーケードゲーム「ゲイングランド」に関する思い出語り、独白、備忘録です。

遊んでいたころから既に20年以上がたっており記憶があやふやな部分もあるので

間違っている点があってもご容赦ください。(気付いたら指摘お願いします)


 

1. ゲイングランドとの邂逅

今は亡き、日吉のセントラルというゲームセンターの地下1階でそのゲームと出会いました。

2000年か2001年ごろだったように思います。

当時ハマっていたのはスト3とミスタドリラー、両方とも埋まっているときはシューティングをやるのが日課でした。

ところがこの日はとても混んでいて、どのゲームも埋まっていたのです。

そんな中見慣れない何やらとても古そうなゲームが奥の方あるではありませんか。

ダメ元でやってみるかーとワンクレ入れてみたのがことの始まりです。

 

余談ですが、日吉は他にも良いゲーセンが沢山ありJack&Bettyというところで遊んでいたPANG3もとても好きでした。
このゲームのクレジット音がとても印象的で「Thank You!!」はたぶん一生忘れません。
もちろんゲームも面白いからというのは大前提の話です。

 

レトロゲームなので当然インストも無し、チュートリアルも当然無しです。

ゲームが始まってもまず自キャラが居ない。どうも見下ろし型の固定アクションっぽいぞということしか分かりません。

十字キーを入れると下のキャラ表示が独特のSEでスライドします。(ジャコージャコージャコーって感じ)

「うーん?たぶんこれキャラ選んでやるのかな?」と最初に表示されていたハゲを選択しました。

出てきたのは槍をもった原住民風のキャラ。これがまぁリーチが短い。ボタンを全部押してみるけど攻撃は2種類しかないっぽい。

本作は2ボタンのゲームなのだけど、ゲーセン側はゲームに合わせて筐体変えたりしないから6ボタン押せるようになっていたのです。
だからとりあえずどのボタンが反応するのかを押してみて試すってのが新しいゲームをやるときにやる試行錯誤の一つでした。
今思うとメチャクチャ不親切ではあるけど、あの手探り感が楽しかったのもあるよなぁ。

一方、敵は長い射程の攻撃をバンバン撃ってきます。「敵のほうがリーチ長いんだけど!」

必死に避けながら攻撃するもあえなくやられてしまいます。

「えー、これ1面なんだよね…?無理ゲーなんだけど……」

あと2キャラいるみたいなのでバンダナの人を選択。こちらはリーチがそこそこあるお陰で何匹か倒すものの途中で撃沈。

「レトロゲーっていってもムズすぎねーかこれw」

そして最後の1キャラを選択、こいつがまー強い。射程も連射力も他とは段違い。(後から分かった名前はジョニー)

こいつのお陰でなんとか1-1はクリア出来ました。

続く1-2は最初からジョニーを選択(というかもうジョニーしかいなかっただけだけど)

ある程度は敵を倒せるものの高台から攻撃してくる弓兵がどうやっても倒せない。

「これなんか特殊な操作あるのかなぁ?」全部のボタンを押してみるけどどうやっても倒せない。色々試すうちに当たってしまい撃沈。

ゲイングランド初プレイは1-2まででした。


2. どういうゲームか分かってきた…かも?

初プレイではルールも何も全然分からなかったのですが、これだけははっきりしていました。

「このゲーム、いままでやったことあるタイプのゲームじゃないぞ。面白そう!」

たまらなくワクワクしてきて即連コインです。そしてこの予感は徐々に確信へと変わっていきます。

 

2回目以降は最初にジョニーを選ぶことで1-1を難なくクリア。

1-2の高台も原人のBボタンを使えば倒せることに気付きます。

(ここでもかなりのアハ体験はあったのですがキリがないので割愛)

しかし最初から原人を出しては地上が辛いし、ジョニーを先に出すと原人に変えるときにジョニーを失ってしまうのです。

そこでふと気付きます。「なんかEXITって書いてあるとこあるぞ?」

このエリアに到達するとキャラが吸い込まれて新しいキャラ選択画面が出るではありませんか!

「なるほど、このゲームはキャラごとの特性をうまく使い分けて敵を倒していくゲームなのか」

EXITに到達したキャラはその面ではもう出せないので、面ごとにキャラを出す順番も重要になってきます。

 

このあと1-1で謎だったピカピカ光るアイコンが捕虜だったことも分かり

EXITまで連れて行くと次の面から使えるというシステムも理解。

本作の面クリア条件は 1.敵を全て倒す 2.仲間全員をEXITに脱出させる の2つで
捕虜救出前に 1.敵を全て倒す をしてしまうと救出したことになっていなかったため
味方を増やす方法が分かっていませんでした。

 

この基本ルールが分かってからはもう病みつきです。

どの面でどのキャラをどの順番で出すのか、どちら側の敵から倒すのがいいのか。

試行錯誤で進めていき、もはやゲイングランドをやりに日吉まで通うようになっていました。

 


3. 攻略って楽しいよね

歯ごたえがすさまじく要所要所でゲームシステムの面白さを伝えてくる面が配置されてて素晴らしいのです。

1-6が最初めちゃくちゃ難しくて絶望していたのだけど、ブーメラン女を使って倒すことを覚えたり

高難度の1-9、1-10でもこいつを捨てゴマにして安定させようといった、

腕に合わせた攻略も出来て進めるようになる度に楽しかった。

そして一つ目の壁、1-10のボス戦。初回はこの面に辿りつくまでにかなりのキャラを失っていて前座ですぐにやられ

全員連れて到達できるようになるまでにもかなりの時間がかかりました。

紆余曲折のあとボスを倒せたときの感動は忘れられません。(まだ1面なのになw)

 

そして遂に2-1へ進んでみると、敵の種類もがらっと変わりかつ背景も全部変化してるじゃないですか!

「え、どういう世界観なのこのゲーム?」

後から調べて分かったのですが、近未来のシミュレーションゲーム「ゲイングランドシステム」内に閉じ込められたプレイヤー達が

脱出するためにゲイングランドシステムを停止させる戦いということで、色々な時代が混在しているって設定と知りました。

ってかこれ、今でいうソードアートオンラインじゃん、1988にこのSF設定っていつもながら早すぎるセガ

2-X面もうなるほど難しく簡単にはクリアさせてくれません。

でもちゃんと考えて色々と試すと徐々に進めるのです。これがもうね、絶妙なんですよ。

自分がクリアした感触がすごい、クリア出来たときの達成感たるや、アドレナリンがドバドバです。

毎日ゲーセンにかよって攻略を進めていました。


4. 詰まる、そしてグレートゲイナー達との出会い

自分は割と難しいゲームにも取り組める人間だと思っていました。

しかし、このゲームの3ーX面は私の心を折ってきました。

これまで攻略は何も見ずに進めていたのですが、2-8から安定しなくなってきて

うまくいっても3-6かせいぜい3-8。3-1、3-2で疲弊しすぎて3ー10までたどり着けません。

「これは流石にもう攻略見ないと無理そうだな…」

 

ここで新たな問題が。ネットに攻略が非常に少なかったのです。

1988年のゲームだからそりゃそうなんですけどね。

ドルアーガとかはそこそこあるのに、ゲインは見当たらず。

検索デスク(老人会案件)や2ちゃんねるなど色々調べて

ひとつだけ、ゲイングランドのことを話題にしているBBSを発見しました。

藁にもすがるおもいでカキコです。すると住人の皆さんが親切に色々と教えて下さったのです。

 

ヒントを頂いたことで2-8、9、10が安定するようになったものの、

3-2は安定しません。なかなかうまくいかないといっていたらセントラルでオフ会をして頂けることに!

当時はゲーム動画で攻略を見るなんてできなかったので、実際のプレイを見せてもらえたことや

細かいテクニック(敵を倒しながら捕虜を救出する方法とか)も教えて貰い飛躍的に進めるようになりました。

 

KOZさんこのご恩とあなたの事は一生忘れません。本当にありがとうございました。

5. 攻略再開、そして…

知識も増えて俄然やる気!ついに3-10を攻略します。

そして迎える4-X。未来ステージで敵は謎の球体やロボット兵です。

こいつらに投げ槍で立ち向かうって無理やんか!

この面もまー詰まる詰まる。これでもかって詰まりまくるんですが、少しずつクリアさせてくれる。

なんなんだこの神バランス、神ゲーは!

 

ここからも何度かオフで教えてもらいつつ、ザエモンの竜巻でラスボス撃破!

この時の感動はいまでも色褪せません。ちょっとウラ技っぽい倒し方なのであっさりはしてたんですけどね。


6.クリア後の感想(+ちょっとしたオチ)

途中ちょっと間があいたのもあって1年近くかかってクリアしたように思います。

まずはこのゲームと出会うきっかけをくれた今は亡き「日吉セントラル」にありがとう。

そして色々と親切に教えて下さった先達たちに感謝。

この後もまだ自分とゲイングランドのお付き合いは続くのだけど、

周辺の出来事も含めてこんなに濃い体験をしたアクションゲームは他に無いです。

そしてこれが1988年のゲームだってぇんだから、セガはやっぱりすごい。本当にセガはすごい。

 

・自由度の高さとそれによる面白さ

ちょっと余談ですが自分以外でもプレイしてる人が2,3人居てその人達の攻略法を後ろからスパってたのもいい思い出です。

こういうのは昔のゲーセンではよくあったんだろうなぁ。

本作が良く出来てるなぁって思うのが、このパターンが実に多彩で

どの人も独自の攻略手法を組み立てていたことです。

それだけ受け幅が広いし、創意工夫できてかつそれでもゲームがクリア出来るってかなり凄いことだと思うんですよね。

私は30年以上ゲームを遊んでいますがこれほど懐が深いゲームを他に知りません。

 

・緻密な戦略性と、上達を実感できるデザイン

キャラごとに利き手があって、A攻撃、B攻撃でも違ったりとゲーム理解度が深まることで

ちょっとずつ先にすすめるようになる(うまくなる)デザインが本当にすごい。

アクション要素もあるものの操作はそこまで難しくないので、ちゃんと考えて遊べばそこそこ進めるようになる。

 

・(まさかのオチ)実は自分がクリアしてたのはまやかしだった

どういう順番で聞いたかはうろ覚えです。

ゲーム内の制限時間が180秒できついわー、って言ってたらこの設定がイージーだということが発覚。

しかも、バグが無くなっている新基盤だったらしい。

バグはともかく、イージーでクリアしても真のクリアっぽくないと思い

この後ちまちまとトラタワにいってノーマル設定でクリアしなおしたという後日談

イージーではクリアしていたのに、そこから3ヶ月ぐらいかかりました。


7. 2人プレイも楽しい

実はこのゲーム2人プレイがすごく楽しい。

キャラごとの特徴が大きいから、二人で出すキャラをあらかじめ決めておくととても楽になるし

協力してる感がとても大きいから。あまりアクションゲームが得意ではない知人とよく遊んでいてとても楽しかった。

 

ウラ技でキャラ増殖とかもあって、「せーの」って声かけてレバーを同時に上に入れていたのはとても良い思い出。

 

開発側も2人プレイを意識していたようで、プレイ人数で配置されている捕虜の数や種類も変化するのです。

当然攻略も楽になるので、最初は2人プレイで遊ぶのがオススメです!

 

実は専用筐体だと3人同時プレイが出来たらしいのですが、自分はあとからやったゲームなので

実機を見たことが無いです。いつかどこかで3人プレイしてみたいなぁ。


8. ハイスコア更新

何度もオフで教えて下さっていたプレイヤーの方、(確かスコアネームはKOZさんだったと思います)

元々はスコアラーだったそうで、私に教えて下さったのをきっかけにハイスコアを更新されたのです。

まさか2000年以降に更新されるなんて思わないやん?更新されたと聞いたときは我がことのように嬉しかったのです。


ゲームの楽しさ

ゲームだけではなく、何でもそうなんですが周囲で起きたこと、ドラマみたいなのも含めてゲームの楽しさってあるよなぁ

そしてドラマが起きやすい環境だったゲームセンターは最高だったなぁっていうね。

懐古っぽくなっちゃうけど、あの特異な時代を過ごせたのは本当に良かったです。