頭部へのトリックテイキング的打撃(仮)- Vol.2

※ 本記事は 「Board Game Design Advent Calendar 2017」 15日目の記事です。

記事は3部構成になっています ⇒  Vol.「1」  Vol.「2」(本ページ) Vol.「3」


◆システムの分類 (関与する項目ごとに列挙)

システムの考察をする前に、項目を整理したいと思います。

目的はシステムがゲームに与える影響と、その対象範囲を明確化すること です。

 

次の章(Vol.3) で、ここで整理した各項目が 「コントロール性」 「不確定要素」 にどういった影響を与えるのかを考察します。

 

一応それなりに網羅したつもりですが、漏れている要素があるかもしれません。
その場合はご自身の脳内で補完していただけるとありがたいです。

 

なお、ほとんどの項目において 「外部パラメタ」 を参照するものがありますが、

これは本稿の要旨とは外れるので、軽く触れる程度にしてあることをあらかじめ理解ください。

 

2017/12/15追記: ゲーム例の追加

各項目にゲーム例があると分かりやすいという意見をいただいたので、

Vol.3にあるスプレッドシート に追記しました。本ページはスペースの都合で掲載出来ていないことをご容赦ください。


1. 点数構造

最終的な勝利条件となる 「勝利点の獲得方法」

項目名説明
1-1. ビッド式ゲーム中のパラメタに対して予測を行う。 「個人ごとの予測」 「競り」 の2パターン。
競りの場合は、競り勝ったプレイヤーが親となり、なんらかの特典を得ることが多い
(トランプの決定権など) ※ビットの対象は多岐に渡るため後述

ビッドした数値に対する点数形式も数種類あり
ぴったり同じでないと点数にならないタイプと、数値以上/以下 どちらかであればOKのタイプがある。
後者の場合もぴったり同じだとボーナス点が入ったりと何か特典があることが多い
1-2. 獲得数獲得したトリック数、カード枚数によって変化
多いほうが良い、少ない方が良い、の2パターンが代表的
1-3. トリックごとの順位トリック時にランクによって順位を決定し、点数獲得
勝者が高得点ということは少なく、中間のプレイヤーがマイナス点のように少しひねったものが多いか?
(勝者が高得点であれば、上記の「1-2. 獲得数が多いほうが高得点」 と同じになるから)
1-4. 獲得カード依存獲得したカードに点数や、アイコンが付与されており、最終的にはそれの合計値によって点数が決まる。
アイコンの場合はマジョリティや、その他テーブルによる計算式が用意されていることが多い。
1-5. 獲得数固定
上限設定
1-1. ビッドと似ているが、プレイヤーが決定するのではなく、システム側が決定するタイプ。
(最初から決められているものと、条件によって自動的に決まるもの、が多い)

ぴったりこの数値でないといけない場合と、

この場合、プレイヤー側になんらかの選択権を与える必要がある。
⇒ 例: 獲得トリック数は決められているが、1スートだけはカウントしなくて良い など
1-6. 回数依存何トリック目にトリックを取ったかで点数が変化するもの
1-7. 外部パラメタこれまで紹介した内容や、その他の条件で外部のパラメタに影響を与える権利を得るタイプ

例:エリアマジョリティとの併用
トリックに勝利すると、別途用意されたマップに影響力コマを配置でき、
最終的なエリアマジョリティによって点数が決まる。

2. カードプレイ

手番にカードをプレイする条件

項目名説明
2-1. スート リードスート依存のプレイ縛り、およびその派生系
マストフォロー、メイフォロー、マストノットフォロー など
2-2. ランク 一定のルールに従ってランクを出さなければならない(ランク昇順)
トリックテイキングにはあまり採用されていないかも?
2-3. 役 順子、暗子など特定の役を作って出し、それと同じでなければプレイ出来ない。
2-4. 周回数 通常はプレイヤーごとに1プレイを1周として、トリック判定を行うところを
条件によって複数周を1トリックとするもの。
例外的ではなく、最初から2周以上を1トリックとするものもある
2-5. 外部パラメタ別項目を参照するタイプ、組み合わせによっては何でもアリのため、
詳しい考察は行わない。
イメージとしては、「1-6.」 に記載した例のようなもの

3. カードの強弱

トリックごとの順位決定方法

項目名説明
3-1. プレイ条件優先 「2. カードプレイ条件」 を満たしていないものは低順位に移動というタイプ
例: マストフォローの場合、リードスートと異なる時点で低順位になる。

マストフォロールール採用時に、あわせて採用されることが多いルール
3-2. ランク勝負 プレイ条件を満たしていない場合でも、カードのランクだけで順位が決まるタイプ。

多くのトリックテイキングで 「3-1. プレイ条件優先」 が採用されているので
再確認のために敢えて記載した。
3-3. 切り札優先別途決まっている切り札(トランプ)がランクを無視して強い

※切り札の存在はトリックテイキングゲームでとても重要な要素なので、
 決定方法について、次項目で別途議論している
3-4. プレイ順 主にこれまでの順位決定方法で、同順だった場合の判定方法
プレイ順で決められ、「先出し勝ち」 「後出し勝ち」 というパターンが一番多い。

その他にもこのプレイ順をメインとしたルールも考案できるかもしれない。
(筆者は知らないので、作ってみたくなりましたw)
3-5. キャンセルプレイされたカードが勝敗対象外になる条件や特殊カードが存在する場合。
あらかじめ決められた例外処理、バッティングのようなイメージに近い
例: 同ランクのカードが出た場合、それらはお互いに最弱カードになる。
3-6. 特殊カードキャンセルと似ているが、ごく限られた特殊な条件でのみ発生する場合。
例: スペード1 ハート12 が同じトリック内で出た場合は、ハート12が勝利する
3-7. 最強/最弱カード出すと必ず勝てる or 負けられるカード
ビット式や勝敗のタイミングを計りたいゲームに採用されている

ワイルドカードを最強/最弱 のどちらでも使ってよい、などバリエーションあり
3-8. 外部パラメタ別項目を参照するタイプ、組み合わせによっては何でもアリのため、
詳しい考察は行わない。
イメージとしては、「1-6.」 に記載した例のようなもの

4. 切り札 (トランプ)

切り札を決定する方法

(カードの強弱に類する項目だが、重要度が高いので別項目としてあげています)

項目名説明
4-1. 事前決定ルールとして最初から固定されているもの。
一般的にはスート固定が多いが、ランク固定のものも存在する。
4-2. ビッドで確定1-1. で触れた、ビッドによって決定するタイプ。ビッドに成功した親プレイヤーは非常に有利になるが
その分厳しい条件を達成しないと勝利点を獲得できない、というものが多い。
4-3. ゲーム中決定 ゲーム中のパラメタ変化によってシステム側が自動で決定するもの。
例: 初めてボイド*によってプレイされたスートがその後の切り札となる。
(ボイド:マストフォロー状態で、リードスートが手札になく、リードスート以外をプレイすること)
4-4. ゲーム中変化このタイプの決定方法は非常に多岐に渡っており、ゲームの根幹部分となっているものが多い。
そのため、ゲーム中変化のなかでもいくつかの項目に分けて記載することにする。

本項目におけるワンアイデアは、素晴らしいゲームの基礎になる反面
非常にデリケートなので、「どのシステムと組み合わせるか」 を慎重に選択することが重要になる。
4-4-1. 一定方向ゲーム全体を通して一定の方向性を持って変化する。
例: ボトルインプ ⇒ 切り札を使うことで切り札の条件が変化する。
4-4-2. トリックごとトリックごとで条件によって変化していく。
 1. トリック前に決定
  ⇒ 例1: 前回のリードスート
  ⇒ 例2: 獲得されているスートの枚数など、別のパラメタによって決定

 2. トリック中のプレイで決定
  ⇒ 例:3枚目にプレイされたスートが切り札 など
4-4-3. 常時変化プレイしきるまで分からないものなど、プレイされたカードの枚数など
全員がプレイしきってトリックの判定が終わるまで切り札が決定しない。

コントロール性が非常に低いので、ふわふわしたゲーム向き
4-5. 外部パラメタ別項目を参照するタイプ、組み合わせによっては何でもアリのため、
詳しい考察は行わない。
イメージとしては、「1-6.」 に記載した例のようなもの

5. カード獲得条件

トリック終了時のカード獲得条件

項目名説明
5-1. 総取り トリックの勝者(または敗者)が総取り
5-2. 順位分配 トリックにおけるカードの強弱順位で異なる。
例: 1位 ⇒ 1枚獲得 2位 ⇒ 2枚獲得
カードごとに点数が付いたり、カードを獲得しすぎたくないようなシステムと相性が良い。 
5-3. トリック数 トリック数のみを参照し、カードの中身に意味が無いもの。
5-4. プレイヤー選択プレイヤーがなんらかの条件で、獲得するプレイヤーを選択するもの。

例:タントニー
トリックの勝者が、カードを取るプレイヤーを指定する。
1ディールの獲得数が限定されているゲームで採用されている。
 ⇒ 弱いカードは取りたくないから他のプレイヤーに押し付け、合計獲得可能トリック数を浪費させる
5-5. 外部パラメタ別項目を参照するタイプ、組み合わせによっては何でもアリのため、
詳しい考察は行わない。
イメージとしては、「1-6.」 に記載した例のようなもの

例: 勝利した人は別に用意したマップに自分のキューブを置ける

6. カード配布方法

ゲーム開始時のディール方法

項目名説明
6-1. 全カード
均等配布
全てのカードを各プレイヤーに同じ枚数配る。
プレイ人数の幅がある場合は、余ることもあるが
対応プレイヤー数の最小公倍数をデッキ枚数にしてあることも多い(60枚など)
6-2. 一部カード残し 全てのカードを配らず、何枚か残す。少しだけ非公開情報を増やしたい場合に意図的に組み込む場合が多いが、
前述の対応人数の関係からプレイヤー数によって、6-1/6-2 を混ぜて使っているゲームもある。
(トランプゲームに多い ⇒ デッキ枚数が52枚(+ジョーカー)と決まっているため)

この残したカードを公開する場合と、公開しない場合で2パターンが存在する。
これはゲーム中の活用方法とも関連するため、詳しい内容は次ページで触れることにする。
6-3. 競り、ドラフト特定の条件にしたがって、ある程度見えているカードから自分の手札を構築する。
本システムを取り入れる理由は主に以下の2つ
 ・ ランダムに配布しただけではゲームが成立しづらい場合
 ・ 手札を構築する部分にもゲーム性を持たせたい場合

バスシュティッヒなどは、これに当たると考えられる
6-4. リソース継続 前ゲームまでで獲得したリソースを継続して次のラウンドで使うタイプ。
これだけだと分かり辛いので例を示します。例に挙げたゲームを知らない人は調べてみてください。

トランプトリックゲーム: どのカードをどのディールで獲得するか、まで含めた全体の戦略性を競わせたい
https://boardgamegeek.com/boardgame/15261/trump-tricks-game

ぶくぶく: 全プレイヤー同じ手札でプレイすることで、公平性を高めたい
https://boardgamegeek.com/boardgame/1403/turn-tide

以上になります。ようやく前準備が終わりましたよ!

次ページではいよいよ、各項目が 「コントロール性」 「不確定要素」 にどういった影響を与えるのか

更には どういったシステムとの相性が良いのか について考察したいと思います。


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 Vol.3 : コントロール性・不確定要素 に係る評価