※ 本記事は 「Board Game Design Advent Calendar 2017」 15日目の記事です。
まず初めに 本記事の内容はあくまで主観であり、厳密な調査などを行ったものではありません。
そのため極端な意見や、ともすれば間違いもあるかもしれませんが、どうか大目に見てやってください。
去年に続いて長文かつ、キャッチーさはかけらもありません(苦笑)
読む人が居るのか?って内容ですが、 それでもいいよって方だけお付き合いください。
なお、間違いなど見つけた場合は Twitter などでこっそり教えて頂けると嬉しいです。こっそり修正します。^^;
以上、前置き(去年のコピペ)でした。
※ 本記事は 「Board Game Design Advent Calendar 2017」 15日目の記事です。
記事は3部構成になっています ⇒ Vol.「1」(本ページ) Vol.「2」 Vol.「3」
◆頭部へのトリックテイキング的打撃 (仮) ~ 邂逅 ~
Dilettante さん に影響されてちょっと変な題名つけたかっただけなんです。
気の利いたストーリーを書こうとして、1時間ほど無駄にしたので諦めて普通に書きます
そしてセンスの無さが苦しいです、グギギ。
この灰色背景のボックスには、補足情報や筆者の独白を掲載しています。 読み飛ばして頂いても構いませんが、読んでもらえると喜びます。
◆前置き
初めまして、梟老堂 というサークルでゲームを作っている、福夕郎と申します。
2016年に続いて ゲームに関する雑感を明文化しようという試みです。
今回のお題はみんな大好き 「トリックテイキング*」 です。
*トリックテイキング: このタイプのゲームをご存知の方にしか分からない単語や内容がとても多くなっています。 全てを説明をしていると長くなりすぎるので、ここでは割愛します。 分からない方は、どこかでトリックテイキングを遊んだときに本稿を思い出して戻ってきて下ると嬉しいです。
本稿では、トリックテイキングの各種システムを考察することで
システムごとの特徴や、ゲームに対して及ぼす効果を整理 したいと思います。
なんとなく考えていることを明文化することで、皆様の思考整理の一助になれば幸いです。
最終的には以下2点が出来るといいなと思っています。
◆トリックテイキングの定義
人によって定義が異なるため、まず本稿での定義を設定します。。
「⇒」 の先にある事例は、あくまで例でありこれが定義というわけではありません。
上記はあくまで基本の考え方であり、追加ルールによっては満たさない場合もあります。
よくあるトリックテイキングを想像される方からすると、条件はかなりゆるいように見えると思いますが
システムの考察をするにあたって、可能性を広く持ちたいので敢えてこのようにしています。
◆閑話休題 ~ カードゲームに関わる考察 ~
各システムの評価軸の決定
● ゲームの勝敗が決まるのは?
まずは、「プレイヤー間で勝敗を決定するゲーム」 を前提とします*。
以前 協力トリックテイキング という酔狂なものを作ってしまったが故に この定義を書かざるを得なくなったという…
特殊なルール(切り札、マストフォローなど) が無い状態で、
ゲームの勝敗に関わるパラメタ/目的を簡略化して考えた場合、以下のような定義が出来ます。
・ 初期手札を各プレイヤーのリソースとし、毎トリックこれらを消費してより高い得点を目指す
そして、この初期リソースはカードデッキ(山札)をランダムに配るので、プレイヤーごとに大きく異なります。
つまり、「初期リソースが全く違う状態の非対称対戦ゲーム」 と考えられます。
これだけでは、単なる 「配ったカードが強ければ勝てる運ゲー」 のままです。
仮にマストフォローも切り札もないトリックテイキングゲーム、かつトリックを取れば取るだけ高得点
というゲームがあった場合、「手なり、もしくは適当にカードをプレイするだけのゲーム」 となってしまうでしょう。
誰が何をプレイするか、予測することが出来ないため、プレイヤーの意志が介在する余地が無いのです。
このままでは、戦略性の高いゲームになっていません*
*戦略性の高いゲームになっていません: これもゲームとして一つの形ですが、私が思い描くゲームにはなっていないのです。 坊主めくりをゲームというか、否かの話です。
● じゃあどうすれば 「戦略性の高いゲーム」 になるの?
プレイヤーが状況を予測、コントロール出来るシステムを組み込む必要があります。
一定のルールを付与することで、遊びがゲームに昇華されるという訳です。
これはトリックテイキングに限ったことではなく、ゲーム全般に言えることかもしれませんね
ここでプレイヤー側に 「ゲームをしている感」 を味わってもらうために必要な要素は2つあります。
両方の項目をバランスよく取り入れることで、プレイヤーにとって面白いゲームになります。
どのバランスが最良かは人によって違ってくるので、好みの話になるので明確な答えはありません。
デザインする側が意思を持ってよい塩梅を選択し、プレイヤーも好きなバランスのゲームを遊ぶのが良いです。
運ゲーだからといって必ずしも悪いという訳ではないです。 最初から分かってて、かつそういうゲームならむしろ素晴らしいものになります。 「同一のゲーム内に、運ゲー要素と戦略要素が悪いバランスで共存してしまうとク○ソゲー化することが多い」 ということが言いたいのです。
更に付け加えると、この要素は予測可能な範囲を設定することで、
プレイヤーが感じる戦略性を高める (演出する) ことが出来ます。
例: 1・2・3の数値がランダムに選出される装置で、出る目を予測して当てたらOKというゲーム
予測範囲が異なるだけで、これだけゲームの種類が異なります。
・ 全ての数値が同じ確率で出る場合 ⇒ 博打性の高いゲーム (ルーレット、丁半賭博 など)
・ 一度出た数値は確率が下がる場合 ⇒ 記憶と確率のゲーム (ブラックジャック、ポーカー など)
・ 元々出る確率にかたよりがある場合 ⇒ かたよった予測を当てるゲーム (競馬、宝くじ? など)
どれが良いというわけではなく、どれもプレイする個人が好きなゲーム性に近ければ それでいいと思っています。重要なのはプレイヤー嗜好とのマッチングですが、 デザインをするにあたって、「自分が好きなゲームを作りたい!」 と思ったとき 自分が好きなゲームがどういうものなのか?を一度考えておくとブレることがなくなるので良いと思います。
● 2つの評価軸
「コントロール性」 「不確定要素」 を重要な要素とし*、
まずはこの2軸を元に、各システムを評価していきたいと思います。
*重要な要素: もちろんこれら2つ以外にもたくさんの要素がありますが、 ここではゲームらしさに焦点をあてるため、この2軸にしぼって評価することにしました。
と、その前に代表的なトリックテイキングに係る要素を
レイヤーごとに分類したほうが分かりやすいですね。
次ページ (Vol.2) で 「システム一覧の作成と、項目ごとの整理」 を行います。